「ガマンから自由に」矢野さんの場合
「私、ガマンするのは絶対に嫌なんです」
のっけからカリスマ節約主婦らしからぬ発言をかましてくれたのは、節約アドバイザーの矢野きくのさんだ。
海辺に立つしゃれた中古住宅は、潮の香りはするが、たしかにガマンの匂いはしない。ガマンをしない節約などありえるのだろうか? 矢野さんは言う。
「節約ともったいないは違うと思うんです。私はムダが嫌いだから節約しているのであって、もったいないからやっているわけではないんですよ」
とはいうものの、矢野さんの節約は徹底している。たとえば食費。総務省の家計調査(平成18年度)によれば、平均世帯(3.43人)の食費は1月約7万円。OL時代の矢野さんの食費は、夫婦ふたりでわずか1万5000円だったという。1人あたりで計算すると、平均の半分以下だ。
「朝食は簡単に済ませていましたが、夕飯は必ずおかずを3品つけました。メーンのお皿に、煮物、常備菜。それに主人の好きな漬物に、納豆とお味噌汁です」