男性皇族に嫁ぐことは人権を捨てることを意味する
ここから深刻な問題が浮かんできます。
女性皇族は男性と結婚して一般国民になるからまだ良いのですが、男性皇族と結婚する女性は、そのまま皇室入りすることになるので、一般国民としての人権の保障を失ってしまうのです。
つまり女性が男性皇族と結婚するということは、人権を捨てることを意味するのですが、そういう人がそもそも現れるのでしょうか。
女性の権利や平等がますます強調されるようになっている現在、逆に人権を捨ててまで男性皇族(もはや一人しかいませんが)と結婚してくれる女性がいるのでしょうか。
このように人権という観点から考えると、皇室制度(天皇制)は、大きな困難と矛盾を抱えているのです。
今回の騒動について「眞子さまの行動のせいで、皇室制度が危機に陥っている」という論者もいましたが、むしろ身も蓋もない言い方をすれば、「皇室制度のせいで、眞子さまの人権が危機に陥ってきた」という方が妥当なのではないでしょうか。
いずれにしても眞子さんは10月26日、結婚して皇族の身分をはずれて私たちと同じ一般国民になり、自由や人権を手にします。
この眞子さんが抜け出した世界、すなわち自分で選んだわけでもないのに生まれつき人権の保障のない特殊な扱いを受ける世界を、いつまで維持できるでしょうか。
政府は有識者会議を設けて、皇位の安定的な継承について議論しているようですが、もっと根本的な問題があるのではないでしょうか。
その答えを出すために、恐らく残された時間はそれほど長いものではありません。