33兆円の債務を抱える中国恒大集団

中国の不動産の大手、中国恒大集団の巨額債務問題を受けて金融市場が揺れている。同社は1996年に広東省で設立され、不動産市況の活況を追い風にマンション開発で業績を急拡大させた。その後事業の多角化を図ったが、近年は中国当局による不動産開発規制の強化もあり、思うような収益を得られずに資金繰りに窮してしまった。

習近平総書記、河北省承徳市を視察
河北省承徳市を視察する習近平共産党総書記=2021年8月24日(写真=中国通信/時事通信フォト)

債務の総額は約2兆元、日本円に直すと33兆円に上ると言われる。中国の経済規模は約100兆元であるため、その2%にも相当する巨額の債務である。こうした債務が支払い不能となれば中国の経済・社会が混乱し、またグローバルに金融不安が広がるという危機感から、9月末の株式市場は世界的に不安定な地合いとなった。