私は完全にワンマン型リーダーでしたが、真のワンマンとは、ただ部下を縛り付けるのではなく、彼らの持つ能力をグレードアップさせるためにあるのだと思っています。


「開封注意! 2度と見たくないヌード」「(オウム事件)横山弁護士のグラビア」は今でも語りつがれる企画に。

そんなリーダーとしての私のモットーは、「人に期待をしない」ということです。「一致団結」「皆で力を合わせて」というスローガンは、響きとしては美しいけれど、現実的ではありません。「20%、80%の法則」ではないけれど、職場で目覚ましい働きをするのはせいぜい2割から3割。それ以外の大多数に期待をかけるのは、所詮無駄というもの……、というとまた顰蹙を買うかもしれませんが、しかし「幼稚園レベル」と思っていれば、怒りも湧いてこない。むしろ温かい目で見守れるし、そのなかで、個々人の個性に合った仕事が出てくれば万々歳なわけです。

それと同時に、私は自分に2つのことを課していました。「1日3人は社外の人に会うこと」と、「1日30分は1人だけの時間を持つこと」です。この2つをこなすことで編集者としての人脈も広がり、かつ多くの企画を考え付けたと思っています。

最近は、編集長になりたい人が少なくなったと聞きます。たしかに責任ばかり重くて大変だし、週刊誌などは訴えられることもある。時代も時代だから部数もぐんぐん落ちていく。だけど自分が「おもしろい!」と思えるネタを形にできるこんな素晴らしい職業もないわけで、自分の代でたとえ休廃刊になろうとも、それはそれでひとつの名誉と受け止め、悔いのないよう邁進してほしいですね。