現地の若い人に「あなたは何がほしいか」と尋ねたところ、携帯電話、パソコン、自動車の順であった。だいたいの人は携帯電話はすでに持っている。あとはパソコン、自動車である。
では、いくらなら買うのか。パソコンの場合、ワーカークラスの月収とほぼ同じ「1万円」というのが答えだった。車なら年収の「12万円」だ。
月収でパソコン、年収で自動車というのは世界中でいわれている相場である。だから100ドルのパソコンができたら爆発的に売れる。10億台と予測する人もいるくらいだ。
安い自動車が出てくれば、やはり爆発的に売れるだろう。インドのタタが20万円で売り出した車が人気だが、これは価格が年収レベルに下がったからだ。
今回の渡欧ではイタリアも見てきたが、新聞が書くほどヨーロッパの景気は悪くない。日本ほど疲弊していないし、常に変化している。これが世界なのだ。
遠い国だがハンガリーは対日感情もよく、どこへ行ってもにこやかに迎えてくれる。そして月収2万円という中国沿海部よりも人件費が安い。近いからといって、なにもアジアだけを見ている必要はないのである。