「岡目八目」という言葉があります。第三者ほど冷静な評価をくだせるものです。能力や技術、才能を「できるかも」から「大丈夫、私はできる」へ変えるためには、「しなければいけないこと」を明確化することが重要なのです。

その意味でも人脈は大切にするべきです。まずは「人脈の棚卸し」から始めてみるのがいいでしょう。運のいい人、気のいい人、勘のいい人、動きのいい人、頭のいい人……、こんな形で知人を分類してみてください。誰にどんな相談をすればいいのか、どんな場面で力になってもらえそうかがわかるはずです。

「自分には会社関係のつき合いしかない」と思う人がいるかもしれませんが、それは早計です。どんな人でも知られざる一面を持っているものです。学生時代に落語研究会だった、料理が上手い、同窓会の幹事を務めている……。人脈の深掘りを進めると、会社の肩書だけではわからない価値が発掘できます。先入観にとらわれず、ひとまず第三者に相談してみるといいでしょう。

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1カ月あたりの副業収入は3万円前後

副業の鉄則はコストをかけずに始めることです。具体的には最初の1カ月で初期費用を取り戻せるような事業計画が妥当です。いきなり事業化せずに、知人を誘う形から発展させられれば一番いい。たとえばパン屋の開業を志すなら、休日にパンを焼いて近所に配る。パンに商品力があれば、必ず「また焼いてほしい」と注文が入ります。そうして「大丈夫、私はできる」という自信をつけてから事業化していけばいいのです。

副業を考えている人は「本業」に何らかの不満を持っていると思います。不満の種類は「やりがい」か「収入」のどちらか。私は「やりがい」を重視することが仕事への不満を根本から解消する近道だと考えています。

夢中になれるものは、自ずと収入に結びついていきます。「収入」を補うためにインターネットに張り付いたり、バイトに明け暮れたりするのでは、いつまでも展望は開けません。本業で難しそうならば、せめて副業では夢を追い求めることを提案したいのです。

※すべて雑誌掲載当時

(谷分章優=構成)