長時間の会議を重ねたのに結論が出ない。そんなときはどうすればいのか。経営コンサルタントの高橋輝行さんは「会議を重ねて考えを深めてしまうと、進む方向が間違っていたとしても突き進もうとして戻ることができなくなる。怪しいと感じたら原因となるところまで戻ったほうがいい」という――。
※本稿は、高橋輝行『メンバーの頭を動かし顧客を創造する 会議の強化書』(あさ出版)の一部を再編集したものです。
会議は何のために行うのか
そもそも会議とは何のために行うのでしょうか? みなさんはそんなことを考えたことがありますか?
会社を立ち上げる時には、創業者は「こんなことに困っている人が、こんなふうに幸せになるといいな」や「こんなことをして、こういう人を笑顔にしたい」といったピュアな想いと、「きちんと儲けを出して、従業員を雇い、新しいことに挑戦できる会社にしよう」という絵姿を頭の中で膨らませ、その世界観の実現のためにいろいろな人の頭脳を借りて新しい価値を創り出します。
そうすることで、新しい顧客が生まれ、会社は収益を上げ、事業は安定し、従業員はやりがいと収入を得て仕事を続ける。そんな好循環が生まれます。しかし、新しい顧客を生み出せなければ、事業は続かず働くこともできません。
つまり会議とは、顧客を創造し、儲けを得るために行われるものなのです。また、会議は顧客を創造したい人にとっては想いを叶える「ツール」であり、参加者にとっては頭を使って新しい価値を実現する「場」であると言えます。