「大将」と呼ばれた中田の“暴力”を不問に付すプロ球界の甘さ

中田は日本ハムのチーム内では「大将」と呼ばれていたという。暴力に対するハードルが低い気質を持っていたうえに自身の今季の不調やチームの低迷、チームリーダーとしての責任というプレッシャーが重なって、今回の暴力行為が起きたのだろう。

ただし、今のプロ野球選手にこういうタイプは少なくなった。時代は変わり、暴力的指導に対する世間の目が厳しくなった。部活にも体育会的色彩は薄まっている。今第一線で活躍している選手の多くは、そうした環境で育っているせいか、野球=生活を賭けた勝負の場というより、スポーツとして技と力を競うというアスリート気質を持っている。

とはいえ現在のプロ野球の現場の指導者層は中田が持つ俺サマ気質を理解できる昭和世代だ。中田が起こしたような暴力行為もこれまで見聞きしており、「大目に見てやろうか」という甘い対応になったのではないだろうか。

令和の時代になっても、球界にはそうした体質が温存されているのだ。

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