中国では4000年以上前から、痛風やリウマチ、マラリア、便秘、生理不順などの治療に大麻が使用されてきたが、その長い歴史と経験が医療用大麻関連の特許取得に役立っていることは間違いないだろう。
そしていま、世界的な大麻解禁の流れに伴い、47カ国が医療用大麻を合法化するなかで、中国が医療用大麻のビジネスに関心を向け始めたとしても不思議ではない。
「指導部が経済的価値が判断すれば、その方向に動くだろう」
イギリスを拠点に大麻合法化を求める活動をしている団体「大麻法改正を求める会(CLR=Cannabis Law Reform)」のリーダー、ピーター・レイノルズ氏は、「中国人はより賢く、すべての良い考えに取り組んでいる。医薬品としての大麻の可能性は計り知れない」と語っている(「インディペンデント」2014年1月5日)。
つまり、賢くて、医療用大麻の潜在性をよく理解している中国人だからこそ、将来それを解禁する可能性があるのではないか、というふうにも解釈できる。また、米主要経済誌『フォーブス』は2018年7月30日号で、中国の大麻ビジネスに関する特集記事を掲載し、非常に興味深い分析を行っている。
「中国はつねにリーダーの気まぐれで何かが変わる可能性がある。(中略)中国はもはや祖父母の時代ではない。現在の政権は物事に対して非常に現実的なアプローチを取っている。
毛沢東が亡くなってから数十年の間に、中国共産党中央委員会は自国の経済力を世界的なレベルに押し上げるために十分な自由経済の余地をつくった。もし中国指導部が大麻の合法化とビジネスに大きな経済的価値があると判断すれば、その方向に動くだろう」
毛沢東が亡くなってから数十年の間に、中国共産党中央委員会は自国の経済力を世界的なレベルに押し上げるために十分な自由経済の余地をつくった。もし中国指導部が大麻の合法化とビジネスに大きな経済的価値があると判断すれば、その方向に動くだろう」
そして医療用大麻を合法化した場合に役に立つのが、世界一多いとされる大麻関連の特許である。だからこそ、中国は産業用大麻の加工技術などに関するものだけでなく、医療用大麻関連の特許を多く取得しているのではないか。
それともうひとつ重要な点は、中国はすでに産業用大麻の栽培・加工・流通・販売のインフラを確立しているが、それは医療用や嗜好用の大麻ビジネスを行う上でも役立つだろうということだ。