noteのおかげで見えてきた就職への希望

著者から某出版社の取締役を紹介いただき、何度か会って話すうち、業務委託の編集の話が出て、気持ちが明るくなった。苦戦する就活の様子をnote(ブログ)でつづり始めるうち、それを見た瞑想系ベンチャーの代表から連絡が届いた。

サンガの愛読者だったようで「(正社員を雇う)余裕はないけれど、業務委託なら少しお仕事依頼できますよ」と言葉をかけてくださった。なおかつ焼鳥丼までごちそうになってしまった。

具体的に何も決まっていないが、他人のやさしさに触れると、元気が出る。「これからはフリーランスの時代」のように思えてくる。宙に浮いていた制作途中の書籍を出してくれる出版社も見つかった。「仕事をかけ持ちすれば、なんとか生きていける」というめどが立った。苦しいことも、楽しいことも、ずっとは続くわけではない。

事業停止から2カ月半経った4月中旬、1人で瞑想するスタイルを変更し、著者の1人・荻野淳也さんが主宰する毎朝(月~土)30分間のオンライン瞑想会「朝のマインドフルネス」に参加し始めた。

多いときは100人以上がオンラインでつながる。1人だとさぼりがちになる瞑想だが、その心配が減る。瞑想は心の筋トレであり、その効果は実証されている。ただし変化は急激ではなく徐々に起こるため、習慣化が大切だ。

不採用の衝撃もしっかりと受け止め、原因や先方のニーズとのギャップが見えるようになる。レジリエンス(回復力)がついてきたのか。

因果関係は説明できないがそれでも「瞑想ってスゴイ」

瞑想の一つであるコンパッション(慈悲の瞑想)の実践は効果抜群だ。頭の中や声に出して「生きとし生けるものが幸せでありますように」と願う、これだけ。これだけなのにすごく効く。実際、朝の瞑想を始めて2週間後には正社員の内定が出た。

瞑想をしている人
写真=iStock.com/FotoMaximum
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「瞑想ってスゴイ」とあらためて思う。もちろん、内定と瞑想の因果関係は説明できないし、個人差もある。肌感覚としては、自身の変容とともに行動や結果が少しずつ変化し、心が明るい方へ向かっている実感がある。深追いすると泥沼にはまるので、このあたりで考えるのを保留する。

このように本の内容について、自らを実験台に効果を検証するのが、サンガ時代からの趣味だ。いつの間にか仏教にどっぷり漬かっていたようだ。

ただ会社が事業停止した通り、仏教を実践していれば生活が安泰ということもなく、むしろVUCAワールドの荒波の中でも、しっかりと帆を張って航海する智慧を教わった気がする。サンガ新社への執着やフリーランスという生き方への迷いも生じたが、6月1日から新しい職場(医療系メディア)で正社員として働くことにした。