楽観的な気持ちで就活に臨むもことごとく不採用

まず最初に考えたのは、仕事には困らないであろうエンジニア職。就職保証のあるプログラミングスクールを念頭に置きつつ、現役エンジニアの友人に相談をする。

「年齢を考えるとプログラミングだけで食べていくのはおススメできない。学校を出ても、仕事実績のない40歳を雇うのは企業側もリスクがある。これまでの経験を活かす方がよいと思う。プログラミング自体は、世の中の仕組みを理解することだから学んで損はないよ」と、まっとうな意見をくれた友達に感謝する。とりあえず就活と並行してEラーニングでプログラミング学習を始める。

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0』のテストによれば、資質は「着想:新しいアイデアを考えるのが大好きです。全く異なる現象に見えるものの間に、関連性を見出すことができます」とのこと。

編集・マーケティングを含めた企画職を探す。「どこか決まるだろう」と最初は楽観的に考えていた。「コロナで景気がよくないのでどんどん応募した方がよいですよ」という転職エージェントのアドバイスに従い、どんどん応募する。

面接に落ちる度、「あなたはダメ人間です」と、烙印らくいんを押される気がする。1カ月経ち2カ月経つうち、次第に心の体力が奪われ、焦りが生まれる。先行きの不透明さ、落選によるストレスが大きい。一生決まらないんじゃないかと思えてくる。書類選考などすべて含めると不採用は80社を超える。サンガ新社設立ミーティングに顔を出している場合だろうか。

悩んでいる人
写真=iStock.com/taa22
※写真はイメージです

心を整える本を作っていたのに、心が整わない

「苦しみは希望が作る」という言葉を、サンガ(仏教)から学んだ。

入りたいと思うほど不採用時のショックが大きくなる。当たり前だが期待しなければ淡々と日々過ごすだけだ。しかし就活していて、採用を期待しないのも矛盾している。心を整える本を作っていたのに、心が整わない。思い出したように瞑想をするも不安なときに瞑想すると、かえって心がざわつく悪循環だ。

ストレスケアも兼ね、以前からの趣味・週末登山は続けることにした。登り始めは面接が頭をよぎるが、身体が疲れるにつれ、意識が就活からそれていく。

なかなか決まらない転職活動は苦しいが「後で話のネタになる」と思っている節もある。落語、演劇、瞑想などの経験から学んだメタ認知の視点が役立っているのかもしれない。