ストレスを減らすためにはどうすればいいか。精神科医の和田秀樹さんは「『こうあるべき』という脳の錯覚がストレスの原因だ。まずはテレビをみるときに、必ずツッコミを入れるようにするといい」という――。
※本稿は、和田秀樹『ストレスの9割は「脳の錯覚」』(青春新書INTELLIGENCE)の一部を再編集したものです。
「やってみなければわからない」の姿勢が大切
ここでは、「脳の錯覚」から抜け出すためのヒントを紹介します。
自分が持っているスキーマを自覚し、「こうあるべき」をやめるための習慣を、いくつか提案します。
小さな習慣を数多く集めているのは、人によって効くもの、効かないものがどうしてもあるからです。万人に対して「これさえやればうまくいく」と太鼓判を押せるような習慣はありません。3つでも4つでも、ここから自分に合うものが見つかればOKとしてください。
1つ試して効果がなくても、そこで諦めず、次を試してください。うまくいかなければまた次に。そうして、あらゆる可能性を試すマインドさえあれば、得られるものはいくらでもあります。また最後には、自分にとってベストな習慣にたどり着けるはずです。
そんな風に「やってみなければわからない」とする姿勢こそ、スキーマの縛りを解くために一番大切なことであり、人生を面白くするコツでもあります。
心の治療はとくにそうですが、医療の世界にも「これで絶対治る」と約束できるような正解は、残念ながらありません。でも、試せることはたくさんありますし、どれが効くかは、やってみないとわかりません。
なので私も、「この習慣さえつければ、絶対、脳の錯覚を抜け出せる」とは言わないことにします(笑)。
読者の皆さんにお願いしたいのは、「これ合わないな」と思ったら、そこで我慢せず、次を試すこと。そして、「やってみなければわからない」の姿勢で、人生を楽しむことです。