ストレスを減らすためにはどうすればいいか。精神科医の和田秀樹さんは「『こうあるべき』という脳の錯覚がストレスの原因だ。まずはテレビをみるときに、必ずツッコミを入れるようにするといい」という――。

※本稿は、和田秀樹『ストレスの9割は「脳の錯覚」』(青春新書INTELLIGENCE)の一部を再編集したものです。

テレビを見ている女性
写真=iStock.com/TARIK KIZILKAYA
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「やってみなければわからない」の姿勢が大切

ここでは、「脳の錯覚」から抜け出すためのヒントを紹介します。

自分が持っているスキーマを自覚し、「こうあるべき」をやめるための習慣を、いくつか提案します。

小さな習慣を数多く集めているのは、人によって効くもの、効かないものがどうしてもあるからです。万人に対して「これさえやればうまくいく」と太鼓判を押せるような習慣はありません。3つでも4つでも、ここから自分に合うものが見つかればOKとしてください。

1つ試して効果がなくても、そこで諦めず、次を試してください。うまくいかなければまた次に。そうして、あらゆる可能性を試すマインドさえあれば、得られるものはいくらでもあります。また最後には、自分にとってベストな習慣にたどり着けるはずです。

そんな風に「やってみなければわからない」とする姿勢こそ、スキーマの縛りを解くために一番大切なことであり、人生を面白くするコツでもあります。

心の治療はとくにそうですが、医療の世界にも「これで絶対治る」と約束できるような正解は、残念ながらありません。でも、試せることはたくさんありますし、どれが効くかは、やってみないとわかりません。

なので私も、「この習慣さえつければ、絶対、脳の錯覚を抜け出せる」とは言わないことにします(笑)。

読者の皆さんにお願いしたいのは、「これ合わないな」と思ったら、そこで我慢せず、次を試すこと。そして、「やってみなければわからない」の姿勢で、人生を楽しむことです。