アジュールの年間成長率は57.8%
中でも成長ぶりが目立つのはクラウドサービスのアジュールです。調査会社のガートナーが2020年8月に発表したところによると、クラウド市場のシェアは、2019年の時点でAWSが45%、アジュールが17.9%、3位がアリババの9.1%でした。AWSの牙城を崩すには至っていませんが、年間成長率はアマゾンの29%に対してマイクロソフトは57.8%で、その差は急速に縮まりつつあるといえます。
また2019年秋に行われた米国防総省「共同防衛インフラ事業」の入札において、マイクロソフトがアマゾンに勝って落札したこともニュースになりました。その事業規模は100億ドルにのぼる見通しです。さらにマイクロソフトは、米通信大手AT&Tとクラウド事業で提携し、ウォルマートも顧客としています。ソニーと協働でゲームのクラウド化を進める計画もあり、グーグルに対抗すると見られています。
ナデラ改革が牽引したマイクロソフトの復活。しかし、今なおクラウドサービスは1兆ドル規模に達すると言われる市場で成長を続けています。そのかたわらで産声をあげようとしているアンビエントコンピューティングの世界。これらは、マイクロソフトの成長余地が多分に残されていることを示唆しています。マイクロソフト復活は、まだ始まったばかりなのかもしれません。