コロナ不安、イラ立ち、失望が凝縮した残酷すぎるグラフ
どの地方でも4波にわたる感染拡大が認められる。2020年4月の「第1波」は海外からの新規の波及、同年8月の「第2波」は夏休みにおける繁華街での感染拡大で特徴づけられ、2021年1月の「第3波」と4~5月の「第4波」の急拡大は、それぞれ、年末・年始と年度代わりにおける人流の拡大が大きな要因とされている。
全国を網羅した大都市圏別の積み上げグラフにしていることで地方ごとの感染推移の差も明確になっていると思う。
どの地方でも4波にわたる感染拡大が認められるが、東京圏とそれ以外では様相が大きく異なっている。すなわち、東京圏では第3波ほど第4波は深刻でなかったのに対して、大阪圏や東京圏・大阪圏以外では第3波より第4波のほうがずっと感染者数が多くなっている。
第4波の到来時期については、大阪圏が最も早く、東京圏や東京圏・大阪圏以外はこれより遅れていた。
第4波の感染拡大の時期のずれは変異株がまず西日本で猛威をふるい、それが関東や全国にも波及したからと見られているが、東京圏の第4波のピークの高さの相対的な低さはこれだけでは説明できない。
東京圏とそれ以外との感染推移の差として、もう1つ、目立っているのは、波と波の間の感染が低下した時期のレベルの差(くびれの有無)である。東京圏では第2波と第3波の谷間も、第3波と第4波の谷間も、感染者数はそれほど減少しなかった。これは、大阪圏や東京圏・大阪圏以外では、谷間の時期にはかなり感染が抑えられたのと対照的である。
第4波における大阪圏などの大きな感染拡大の要因としては、変異株への置換だけでなく、第3波を大きく抑えることができたことで生じた気のゆるみで、年度末に人々の交流が拡大したという点が指摘されている。これに対して、東京圏では感染者数が第3波の後もそれほど減らず、年度末にも大阪圏住民ほど気を緩める余裕がなかったので第4波は第3波ほどにはならなかったのかもしれない。