環境性能や安全性能に求められる基準が上がった

あれから8年、2代目ヴェゼルが迎えるクルマ社会は大きく変化した。

燃費数値に代表される環境性能は、ボディサイズが大きく車重がかさみがちなSUVであっても、CO2排出量換算で95g/km以下と高いレベルが求められる(欧州での排出量基準)。新型ヴェゼルは実際の走行状態に即した国際的な燃費測定モードであるWLTC換算値で92.9g/km(e:HEV「X」の前輪駆動モデル)だ。

安全性能もしかり。万が一の際に生存空間を確保する衝突吸収ボディも、世界各地域の自動車アセスメントでトップクラスの結果を残す(=高い安全性能を確保する)ことが求められ、先進安全技術の分野にしても、日頃の運転支援強化までもが評価対象となった。端的に、メーカーとしてやるべき項目は増えつつ、制度や基準は高くなったのだ。

その間、SUVユーザーの舌は肥えた。ヴェゼルが属するコンパクトクラスでは、魅力的な新モデルが世界各国から登場し続けているからだ。さらに、いずれも使いやすく、しかも求めやすい価格帯でラインアップするのだから、ユーザーである我々とすれば選択肢が増え、ありがたい限りだ。

新型ヴェゼル「e:HEV Z」後ろ
画像=筆者撮影
新型ヴェゼル「e:HEV Z」

輸入車のコンパクトSUVも視野に入る価格

税込み293万7000円(※)。今回、筆者が試乗した新型ヴェゼルの最上級モデル「e:HEV Z」(シリーズ式ハイブリッドモデルで前輪駆動)の価格だ。

※オプションボディカラー代含む。価格は試乗会のスペックシートより。

試乗車にはさらにメーカーオプションとして、Honda CONNECTディスプレー+ETC2.0車載器+ワイヤレス充電器、ディーラーオプションとして、フロアカーペットマット、ドライブレコーダー(前後録画、駐車録画機能付)が装着されていた。締めて税込み326万246円。

登録にかかる諸経費は時期により変動するが仮に6月登録となれば、概算で11万~12万円程度。乗り出しまでの総額は338万円程度(ホンダWebサイトによる簡易見積額)だ。

実際はディーラーにおける値引きが期待できそうだが、販売好調が続く新型ヴェゼルだけに強気。グレードによっては年が明けてからの納車(!)というから、値引きがあったとしても端数調整程度か……。

さて、コミコミ価格で340万円台となると、じつは輸入車のコンパクトSUVも中古車であれば十分に視野に入る。ただし、中古車といえども登録から3年以内の新しい個体が対象になる。