「夫婦も親子も喧嘩しない」家族仲のよさが試練を乗り越える原動力

一浪の末、天馬さんが東大に晴れて合格した日。その吉報を、仕事の現場で受けた美由起さんは、きりっとした商売人の顔から、どんな時も明るく前向きなお母さんの顔になって、「あんたは、よく頑張ったよ」とやはり息子を褒めて、涙声になった。

その日の夕食は、天馬さんの好物のおかずが2品テーブルに並んだ。シチューとから揚げ。

クリームシチューと唐揚げ
写真=iStock.com/Yuuji/kaorinne
※写真はイメージです

「ホワイトシチューの食材は、じゃがいもと鶏もも。から揚げも鶏もも。同じ材料を使い分けて、食費を抑えてます(笑)」

布施川家では現在も褒める文化は健在だ。

「天馬は今でも、私が仕事から帰ってきて急いで食事を作ってやると『え、こんな短い時間で作ったの! すごいね、ありがたいねー』って言ってくれます。おかげさまで息子は勉強法の本を書いたり取材を受けたりするときもあるんですが、そんなときには夫婦で『天馬、すごいね!』って言いますね。夫婦間でも普通に褒め合っていて、私は夫に、『今日の服、似合うよ。カッコいい』、夫も私に『お、なんか。かわいいね』って。挨拶代わりのようになっているんですね」(美由起さん)

夫婦喧嘩もしない。

「あの人(美由起さん)とは、喧嘩にならないんですよね」(栄次さん)

家族仲のよさが布施川家最大の試練を乗り越える原動力となり、天馬さんを一発逆転合格に導いたのだ。

【関連記事】
【前編】世帯年収300万円、勉強嫌いな息子を「東大に逆転合格」させた両親の"ある習慣"
「ドラゴン桜」を小バカにする人は、絶対に東大には合格できない
現役東大生チーム直伝『ドラゴン桜2』に登場する「確実に偏差値5アップする」最新勉強法
「同じ絵本を54回連続で読み聞かせ」3男1女が東大医学部に合格した母の"過保護"な子育て
子どもに月経や射精について話すときに「絶対使ってはいけない言葉」2つ