「外資系最高級ホテルの開業」が投資の判断材料

「外資系最高級ホテル」

3つ目は「外資系最高級ホテル」の存在と開業ラッシュである。2014年に「ザ・リッツ・カールトン京都」が開業して以降、「翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル京都」(2015年)、「フォーシーズンズホテルレジデンス京都」(2016年)、「パークハイアット京都」(2019年)、「アマン京都」(2019年)と、インバウンドの増加に比例するように増えていった。

コロナ禍であっても、この流れに変化はなく、今年3月には「フォションホテル京都」が開業し、今年9月には「ROKU KYOTO LXRホテルズ&リゾート」が開業予定である。コロナ後にインバウンド需要が回復することを見越して、この先も、「デュシタニ京都」(2023年予定)、「京都東山SIX SENSES」(2024年予定)、「京都東山バンヤンツリー」(2024年予定)、「シャングリ・ラ京都二条城(仮称)」(2024年予定)など、開業ラッシュが続くことになる。

ラグジュアリーなホテルの一室
写真=iStock.com/Eoneren
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なお、京都で誕生している外資系ラグジュアリーブランドホテルは、元々は日系企業のホテルや旅館、会館や料亭だったような場所を買い取ってリニューアルしたか、一から作り直したものが多い。

今年3月、コロナ禍で不振の近鉄グループホールディングスは、「都ホテル京都八条」など8つのホテルを米国の大手投資ファンド「ブラックストーン・グループ」に売却すると発表している。この先も、コロナ禍で日系企業などによる京都の不動産売却が続こう。それは、資金力が豊富で合理的な外資系企業などにとっては、絶好の買い場となるのだ。

京都のように外資系ラグジュアリーブランドホテルがある都市は、この先も魅力を放ち生き残る可能性が高い。なぜながら、こうしたホテルは、自社投資かフランチャイズ契約かに関わらず、しがらみや先入観なく、単純にビジネスとして採算がとれるのか、成長性はあるのか、自社ブランドに貢献するのか、といった合理的な観点から立地や投資が選ばれているからだ。

コロナ禍でも外資系ラグジュアリーブランドホテルの開業が、継続していることを一つの判断材料として、海外の富裕層や投資家は、安心して、中長期的視点で京都への不動産投資を行うことができるのだ。

オーバーラップするが、京都のように外資系ラグジュアリーブランドホテルがある地は、別荘地やコンドミニアム、セカンドハウス需要のニーズも高く、国内外の富裕層などにより、投資対象として売買されることになる。