世の中には「儲かる仕事と儲からない仕事」「割のいい仕事と割のよくない仕事」がある。作家の本田健さんは「社会は不平等で厳しく世知辛いですが、正義も優しさもあります」という。一生懸命に働き・生きていれば、思いがけない幸運やいい人に巡り合える、そんな奇跡のエピソードを紹介しよう――。

※本稿は、本田健『20代にとって大切な17のこと』(きずな出版)の一部を再編集したものです。

ヘブンヘルの標識
写真=iStock.com/adventtr
※写真はイメージです

社会との関わり方次第で「自分のあり方」は180度変わる

どんな関わり方でもよいのですが、仕事をすること、働くということは、それ自体が社会との関わりなので、意外に大事だと僕は思っています。

あるいは、仕事をせずに、社会とはあまり関わらない生き方をしている人もいます。あなたが社会とどう関わるのか、仕事との距離から見えてくるものがあります。社会との関わり方には、次の7つのスタイルがあります。

〈1〉「無職」「ひきこもり」など、家事も仕事もしない
〈2〉「専業主婦」「家事手伝い」「家族の介護」などをするけど、外では仕事しない
〈3〉「ボランティア」として、意義のある活動をサポートする
〈4〉「パート」「正社員」として毎日定時で働く
〈5〉「エリート」として、残業もいとわずに、バリバリ働く
〈6〉「自営業(フリーランスも含む)」として働く
〈7〉「ビジネスオーナー」「投資家」として生きる

社会との関わり方をどうしたいかで選ぶと、自分のあり方が変わってきます。

これからは、20代でも働かないで生きていくという人も増えていくでしょう。親元にいたり、親や祖父母からの遺産をもらったりした人は、あえてフルタイムで就職しない、という生き方を選ぶようになるでしょう。

「ちゃんとしたところに就職しないなんてダメ」という考えは、もう昔のものです。遺産で生きていくなんて「大富豪の話?」と思うかもしれませんが、そうでもありません。

たとえば都市部に祖父母や両親の持ち家があって、一人っ子の場合には、彼らが亡くなった後、その家を引き継ぐことになります。その家を売るなり貸すなりすれば、それだけでも、ある程度は暮らしていけます。

慎ましやかに生きていこうと思えば、仕事をしなくても可能です。これからは、そんな何をやっているかわからない人も、増えていくと思います。食べていくことだけを考えれば、必ずしも会社や役所に就職する必要はないわけです。働きたいと思っても、親の介護をしなければいけなくなったり、自分自身が病気になったりして働けない、ということもあります。

また、自分は専業主婦(主夫)として、家事や育児に専念したいという人もいるでしょう。もちろん、女性にかぎったことではなく、男性にもそうした考えを持つ人がいます。

知り合いの若い夫婦は、男性のほうが育児を担当することになりました。旦那さんが、「僕より君のほうが仕事に向いているし、僕も仕事より、家事のほうが好き」と言って、奥さんも納得したそうです。二人ともハッピーな様子なので、それもアリですね。一昔前なら、男性のプライドが許さない人も多かったでしょうが、いまはそういう感覚的なことも変わってきているように思います。

フルタイムの仕事をせずに、ボランティアをしていきたいという人もいるでしょう。実家に住んでいたり、パートナーが経済的にサポートしてくれたりということであれば、自分でお金を稼ぐのは少しにして、趣味やボランティアをやることもできます。

いままではフルタイムで働くか、フリーランスで働くかの二者択一を迫られるような雰囲気がありましたが、働き方改革で副業が認められ、テレワークが進んだり、週休3~4日を導入する企業が出てきたりして、20年前には、とても考えられなかったようなライフスタイルが実現できるようになりました。