結果を出せる働き方とは、どんなものか。ドイツの金融機関で20年勤務した隅田貫さんは「日本人はチームワークを重視するが、行き過ぎると“忖度”になって生産性を下げる。同調圧力に抵抗することも必要だ」という――。

※本稿は、隅田貫『ドイツではそんなに働かない』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

勝つために一緒の仕事
写真=iStock.com/SetsukoN

なぜ日本人サッカー選手はゴール直前でもシュートしないか

スポーツ、ビジネスを問わず、欧米人は個人プレーが得意、日本はチームプレーが得意と一般に言われます。

ドイツはワールドカップで優勝するぐらいサッカーは強い国ですが、彼らは勝つことでチームワークをつくっていく部分があります。一方で、日本はまずチームワークをつくってから戦いに挑みます。これは面白い違いです。

海外のチームは反則すれすれのプレーをしてでも勝ちに行きます。卑怯な勝ち方がいいとは決して思いませんが、勝つことを最優先に考え、徹底的にこだわります。それを理解しておかないと、スポーツにおいてもビジネスにおいても、海外には対抗できないのではないでしょうか。

日本ではチームプレーを大切にするあまりなのか、ゴール前の、自分でリスクを負ってシュートできる場面でも、大事をとって味方にパスをしてしまうようなことがあります。「シュートを打ってしまえばいいのに」とファンが思ってしまう場面です。

もちろんピッチ上の選手は必死です。弱気にプレーをしている選手など1人もいません。それでも、果敢にゴールを狙うばかりでなく、時にパスを重んじ過ぎると思える場面があるのです。