ペーパーレスが必ず定着する5つのルール
デジタルな働き方とペーパーレスは密接な関係にあるわけですが、ペーパーレスはやめようと思えば簡単にやめてしまえるだけに、習慣化・定着化のためのちょっとした仕掛けが必要になってきます。以下に私が紆余曲折の末に行き着いた、チームで設けるべき「ペーパーレス5つの運用ルール」について一つずつ解説していきたいと思います。
①必要資料はほぼ全てデジタル化
基本的に会社の情報資産として残すべき資料は取説をのぞき、ほぼ全てをスキャンしてデジタル化するようにしています。
②保存形式は一目で分かるように
デジタル化したファイルには、紙とデジタルどちらで保存しているか、あるいは両方なのかを、他の人が一目で分かるように、そのファイル名に「※紙・デジタル保存済」と挿入しておくか、同フォルダ内にその旨をファイル名としたメモファイルを保存しておくようにします。
③証拠はメールを共有して残す
意思決定や合意の記録など、紙に印刷するほどでも無いが、念の為証拠として残しておきたいやりとりは、相手に確認メールを送るようにして、メーラー上でいつでも検索できるようにしておきます。
④社内情報は10秒以内に検索する
私の会社では社内情報が10秒以内に見つからない場合には、「ルール」か「インフラ」か「リテラシー」のいずれかを見直し、情報管理の品質を高めていこうと努力しています。ちなみに10秒はあくまで目安ですが、検索ツールを使えば瞬時に見つかるので、概ねそれ以下の時間でアクセスできています。
⑤作業・検討中は紙の利用もOK
デジタル化を強固に進めすぎると、仕事や人によっては弊害も起こりえます。とくに発想する仕事などは、紙の自由度がプラスに働く側面も確かにあります。そこで、作業・検討中は紙の利用を認め、最終的な保存はあくまでデジタルで、ということにすれば、たいていは折り合いがつくようになります。
以上、何らか特別なシステムやITインフラを用いるわけでもなく、いずれも小さな工夫ではありますが、逆に言うと、こういったルールが定義・遵守されていないために、多くの企業が途中でペーパーレスを断念してしまっているのではないかと思います。
ペーパーレスを定着化させるまでには、多少の時間と努力は必要かもしれませんが、定着した後は、それがオフィスであっても、在宅勤務の自宅であっても、はかりしれないメリットや快適さを享受できるようになります。ぜひ地道に諦めず取り組んでみてくださいね。