保険金の支払われる条件
地震保険では、保険の対象である建物又は家財が全損、半損、又は一部損となったときに保険金が支払われます。
・全損:契約金額の一〇〇%(時価が限度)
・半損:契約金額の五〇%(時価の五〇%が限度)
・一部損:契約金額の五%(時価の五%が限度)
「全損」というのを見て、完全に崩れ落ちてしまわないと保険金が貰えないのかと思う人がいますが、それは間違いです。
・全損とは主要構造部の損害の額が建物時価額の五〇%以上
・半損とは主要構造部の損額の額が建物時価額の二〇%以上五〇%未満
・一部損とは主要構造部の損額の額が建物時価額の三%以上二〇%未満
見た目でちゃんと建っていても、主要な梁や柱に損害が生じ、その修復に建物時価額の五〇%以上のお金がかかるものは全損です。
実際に修繕してから保険金を請求するのでは意味がありませんから、東日本大震災の時には航空写真・衛星写真による「全損地域」の認定や契約者の自己申告による損害調査が行われました。法律の趣旨が地震で罹災した被災者の生活を安定させることだからです。
また、地震保険に関する法律施行令の改正(平成二九年一月一日施行)によって、「半損」が「大半損」と「小半損」に分割されて、さらにきめ細かく補償が受けられるようになりました。
また地震・津波・噴火による被害によって地震保険証券がなくなっても保険金の請求ができます。契約している保険会社が分からない場合は、日本損害保険協会の地震保険契約会社照会センターのホームページでも確認できます。