東京大学に合格するような子供は、どんな小学校生活を送るのだろうか。4人の子ども全員を東京大学理科三類に合格させた佐藤亮子さんは「小学1年生の時に最優先するのは、学校を楽しくすること。それが小1のスタートダッシュにつながる」という――。

※本稿は、佐藤亮子『偏差値50からの中学受験スーパーメソッド 12歳までにやるべき99か条』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。

新学期
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入学までに「座っていること」を習慣づける

6歳、つまり小学校入学前までに何を学んで入学したらいいか、私が考えているのは次の5つです。①ひらがな、②カタカナ、③数字、④一桁の足し算、⑤九九。これらは完璧な状態ではなくても大丈夫ですが、まったく知らない、書いたこともない、見たこともないという状態で入学すると、子どもが苦労します。

昔は、名前をひらがなで書けたらよかったのですが、今はひらがなどころか漢字で書ける子も多いので、それなりの準備が必要です。しかも、入学式の次の日から授業が始まりますので、椅子に座って机の前で数十分はじっとしていられることがまず必要です。

幼稚園までは、1日中遊ぶことが主だったので、6歳までに、家で少しずつ座っていることを習慣づけておかなければなりません。何事も習慣づけると後々ラクなのですが、習慣づけというのは非常に厄介なもので一朝一夕ではできません。身につけさせる方もつける方も努力が必要です。

子どもは、授業を受け宿題をしテストを受け、しかも点数がついてくるという毎日が、この日から12年間も続きます。それらを考え合わせると、小1のスタートダッシュを、軽く考えてはいけません。

国語の教科書を「絵本のように」読み聞かせ

幼稚園のときに何もしなかった、下の子が生まれて忙しかったので上の子の教育が不十分だった、お母さんが仕事で忙しかった、などさまざまな理由で上記の5つがまだでしたら、卒園式から入学式までの間だけでもいいので、少しずつ始めておきましょう。市販の問題集などで構いません。まったく何もしないと、子どもに入学式のあと、霧の中を歩かせるようなことになりかねません。

教科書が配布されたら、国語の教科書を始めから終わりまで、本文のみを絵本のように楽しく読んであげるのが効果的です。子どもは初めての授業のとき、教科書の内容を知っていると安心して授業を受けられます。しかも、お母さんが前もって読んでくれていて内容を一応知っているため、自分が知っていることを先生が授業でどのように説明してくださるのか楽しみになります。そうなると、次の日に学校に行くのが一層楽しみになります。「学校を楽しく」というのが最優先になりますから、そこを目標にすると間違いないと思います。