腸内細菌のバランスを整える「切り干しダイコン」

では、どんな野菜を食べたら長寿菌が増え、腸内細菌のバランスがよくなって健康増進につながるのかを説明したいと思います。基本の心得は、とにかくいろいろな野菜をたっぷり食べることです。

また、生野菜よりも加熱した野菜の方が大量に食べられることを覚えてください。とくに私がお勧めするのは、食物繊維を多く含んだ野菜となります。そうするとセロリやレタスが出てくると思われるでしょうが、案外そうとも言えないのです。

私が最初にお勧めするのは「切り干しダイコン」です。切り干しダイコンを100グラム食べると、約21グラムの食物繊維が摂れます。食物繊維の一日の推奨量は男性21グラム以上、女性18グラム以上ですから、これだけでOKなのですが、100グラムの切り干しダイコンを水で戻して一度に食べるのは、よほど好きな人でなければ無理だと思います。50グラム食べて10グラムほどの食物繊維を摂るという方法が現実的でしょう。

サツマイモは腸内環境を整える理想の食べ物

次は「インゲン豆と大豆」です。

インゲン豆は、茹でてサラダやおひたし、これまた食物繊維に富む炒りゴマで和えるといった、ごく平凡な調理方法で構いません。一方の大豆は、納豆や枝豆などさまざまですが、しかし大豆から作る豆腐は食物繊維が多くありません。

辨野義己『「腸内細菌」が健康寿命を決める』(インターナショナル新書)
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ところが豆腐のカスだと思われているオカラの方がはるかに食物繊維が多いので、オカラを食べるのもよい方法です。そして「芽キャベツ」です。茹でたキャベツ100グラムでは2グラムの食物繊維しか摂れませんが、茹でた芽キャベツ100グラムからは5.2グラム摂れます。

「キノコ」もいいです。シメジ、シイタケ、エノキダケ、マイタケなどは、茹でた100グラムからだいたい3~7グラムの食物繊維が摂れます。食用のキノコとしてまだよく知られていないアラゲキクラゲは、茹でた100グラム中に15グラムも食物繊維が含まれています。

先ほど紹介した南方の健康長寿地域で必ず食べられていた「サツマイモ」は、蒸した100グラムで3.8グラムの食物繊維が摂れます。便通を促すヤラピンという物質も含まれていますから、サツマイモは腸内環境を良くする理想の食べ物でしょう。

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