「自分自身が坐っていることすら忘れ、安らぎの境地に」

凸版印刷では近年、仏教の教えを使った社員研修などを積極的に実施。社員のモチベーションや倫理感の向上に役立てている。

凸版印刷の参加者からは、「普段、時間に追われるなかで、あえて思考を停止する時間が持てたのはとても贅沢なひとときだった」「始業前に坐禅を行うことで、いったん心を整えて仕事に臨めた」「その日、何をすべきか自分の中で整理がついて仕事に集中できた」「生涯、坐禅を続けていきたいと思うようになった」などの感想が聞かれた。

オンライン坐禅中の岩山さん
写真提供=フライングモンク
オンライン坐禅中の岩山さん

岩山さんは話す。

「初心者の方はまず、オンライン坐禅や地域の坐禅会などに参加し、禅僧から基本的な姿勢の取り方と呼吸法を教わるのがよいでしょう。呼吸の深め方などの技術を習得すると、思考がストップする『坐忘ざもう』の状態になります。そして、自分自身が坐っていることすら忘れ、安らぎの境地に入ります。コロナ禍の中、イライラが増えているなと感じたら、是非、坐禅をはじめてみてください」

今どきの言葉を借りれば、まさに「禅(全)集中」。終息が見えないコロナ禍、ぜひ自分自身と静かに向き合う時間を、つくってもらいたいと思う。

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