NTT澤田社長「光でゲームチェンジを目指す」
その轍を踏むわけにはいかない。今、IOWN構想にはエリクソンも参加を決めたほか、ノキアからもミーティングの打診が相次いでいる。
かつてNECは当時世界大手の一角を担っていた独シーメンス(現ノキア)と組んだこともあった。1999年に共同出資会社の設立を発表し、一時は世界に足場を築いた。その後シーメンスは07年にノキアと共同出資会社(現ノキア)を設立。その後もNECとの提携は続いたが、営業や保守などビジネスの主導権はシーメンスとノキア側に移り、NECの事業は停滞してしまった。
だが、今回はNTT・NEC陣営にノキアが接近してきた。「データ爆発への懸念は日増しに高まっている。大量の電力を消費するデータセンターが建設できずに通信インフラが整備できない新興国は今後多く出てくる」(NTT幹部)。
NTTには国産技術を復権させたい政府やNTTの思惑もあり、NECと光伝送技術に強い富士通の技術や人材を集約させようという動きもある。
半世紀にわたって蓄積してきた「光」技術と、オープン化の流れにのって、「新・NTTグループ」はかつての輝きを取り戻せるか。「光でゲームチェンジを目指す」と豪語するNTTの澤田社長の次の一手に注目が集まる。