株式市場では記録的な高値が続いている。2021年も上昇は続くのか。みずほ銀行チーフマーケット・エコノミストの唐鎌大輔氏は「低金利が続き、今年も『為替の静寂』と『株の喧騒』は続くだろう。米金利には低位安定をさせざるを得ない事情がある」という——。
日経平均株価は31年ぶりの水準で越年
例年、日本の正月三が日は為替市場が大荒れとなりがちだが、今年は平穏な幕開けとなった。
周知の通り、もはや主要国の間で内外金利差はほぼ消滅している。これは為替市場の変動要因が1つ減っているということであるから、値動きが小さくなること自体は不思議ではない。
片や、2020年の株式市場は活況を呈した。日経平均株価は27444円と年末としてはバブルがピークだった1989年12月につけた史上最高値(38915円)以来、31年ぶりの水準で越年している。
まだ遠いが、2度と更新することはないと言われた当時の高値が視野に入ってきている。日経平均株価の値幅としても30年ぶりであり、半ば固定相場と化したドル/円相場とは対照的だった。
しかし、この「為替の静寂」と「株の喧騒」は同じ要因から発生したものである。低金利だ。低金利が終わる気配がない以上、「為替の静寂」と「株の喧騒」は今年もトレンドになると考える。