自画自賛しなければ誰もわかってくれないのが国際舞台
しかし、諦めては負けだ。大風呂敷は広げずとも、本当のことは言わなければならない。実は、日本にはCO2削減や省エネ以外にも、自慢できることがたくさんある。
例えばゴミの回収。日本人は、紙容器はきれいに洗ってたたみ、ペットボトルはふたとラベルを外す。これほど丁寧に、官民一体になってゴミを回収している国は世界のどこにもない。
ドイツ人がペットボトルを店に返却するのは、そうしないとボトル代が戻ってこないからだ(ただし、ラベルやふたは外さない)。また、他の包装材は全部一緒くたに集めるので、日本のように効率的にリサイクルできない。だから、今では「熱利用もリサイクル」という理屈をつけて、多くを焼却している。
いずれにしても、今になって日本が、何もやってこなかった国と同じスタートラインに並んで意欲的なCO2削減目標値を挙げろと言われるのは、ほとんど言いがかりに近い。
小泉環境相には、日本に戻ってぶつくさ文句を言うのではなく、2021年のCOPでは堂々と反論し、「世界に冠たる環境大国・日本」を、しっかりアピールしてほしい。多少、自画自賛しなければ誰もわかってくれないのが国際舞台なのである。