「ネットフリックス」の国内有料会員が、9月に500万人を突破した。動画配信サービスはどう進化するのか。ベンチャー企業投資家の山本康正氏は「ネットフリックスの一人勝ちは続く。レコメンド機能は進化を遂げ、ドラマも個人の好みに応じたストーリーが展開されるようになる。5年後の未来予想図を紹介しよう」という――。
※本稿は、山本康正『2025年を制覇する破壊的企業』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。
「エンディング、どんな終わり方だった?」
2025年の日本。食事を終えたえりかさんは、「アレクサ、テレビをつけて」とアマゾンエコーに話しかけます。映し出されたのは2020年にブームになった韓国ドラマの続編『愛の不時着2』。えりかさんの好みを知っているアレクサが、ネットフリックスから選んだのです。見終わると、スマホで友だちに連絡を取ります。
「エンディング、どんな終わり方だった?」
少し不思議な会話です。原因は、同じドラマでも視聴者によってシナリオが異なるからです。2025年のネットフリックスは視聴者の視線や表情を解析し、視聴者の好みにあわせて映像を自動生成します。つまり視聴者の「今」の嗜好に沿ってシナリオや映像が変わるのです。視聴者が100万人いれば100万通りのストーリーがあるというわけです。
それが『2025年を制覇する破壊的企業』(SBクリエイティブ)で描いた2025年の未来予想図です。
視聴者の好みに合わせた動画配信
この5年でネットフリックスが強化してくるであろう動向として特に注目している仕組みがあります。それが一人ひとりの視聴者の嗜好にマッチした動画の配信です。
ネットフリックスが他の動画サービスより支持されているのは、豊富な映像コンテンツだけでなく、オリジナル番組が充実しているからです。さらにどのように届けるかという点でも進んでいます。何万本とある動画の中から、視聴者の嗜好に合わせて、高い精度で「おすすめ」を選び出してくれるのです。