マーケティングでは、お客様にどうサービスするか、企業のファンをどう増やすかを考えることが重要である。これは個人商店の経営者でも、企業のどの部門に所属する者でも、ビジネスマンなら考えておくべき企業活動のメーンテーマだ。そういう意味でマーケティング本は、専門家以外でも読む価値がある。

とはいえ、マーケティングは環境に応じて時代とともに定義が変化する。そんなマーケティングとは何かを理解するのに、『マーケティングをつくった人々』を勧めたい。マーケティングの大家と呼ばれる学者が、どのようにマーケティングに従事してきたかをインタビュー形式で読みやすくまとめている。

またマーケティングは、人間を対象にしているので人間を理解することが前提となる。人はものを買うとき、100%の理性で決定するのではなく、潜在意識に基づいた行動を取る。『心脳マーケティング』は、今後、心理学や脳科学の研究が、マーケティングの世界に応用される可能性を考察した一冊だ。ある部分で対立しがちなマーケティングとマネジメントが、両方とも必要であることを示唆した『マーケティング脳vsマネジメント脳』も、大変面白い。

マーケティングは時代の波に対応する作業なので、チェックするのはおのずと新刊本になる。私個人としては「読書の90%は仕事」で、話題の本も“マーケティング”として読む。いろんな本から、新しい個所を見つけ出す作業が欠かせない。

1 マーケティングをつくった人々/ローラ・メーザー、ルエラ・マイルズ
 2 心脳マーケティング/ジェラルド・ザルトマン
 3 マーケティング脳vsマネジメント脳/アル・ライズ、ローラ・ライズ
 4 環境ビジネスのいま/NTTデータ経営研究所
 5 ゲームの変革者/A・G・ラフリー、ラム・チャラン
 6 シナジー・マーケティング/デービッド・A・アーカー
 7 「ブランディング」は組織力である/DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー
 8 伸びない市場で稼ぐ!/A・スライウォツキー、R・ワイズ
 9 脱・市場シェア主義/ヘルマン・サイモン他
 10 分析力を武器とする企業/トーマス・H・ダベンポート、ジェーン・G・ハリス

(構成=鈴木 工 撮影=的野弘路、永井 浩)