知識ではなく学びのプロセスを教える

——創造性を育てるには、どのような教育が必要でしょうか?

【マイケル氏】ハロウで行われているように、生徒それぞれの興味、関心にあわせた活動をサポートする必要があるので、一斉授業中心から、一人ひとりの個別化を重視した授業に切り替えていく必要があると思います。しかし、これは大改革になるので政府が動かないと難しいでしょう。

授業で教える内容も、ハロウの教育とは根本的に違っていると感じています。知識を教えることは確かに大切ですが、ハロウ校では学び方のプロセスを教えることを重視しています。たとえば、生徒が問題を見つけ出し、リサーチ方法を組み立て、テストしてデータを集め、結果を導き出す。こういった学び方のプロセスを教えていくことを大切にしています。

ハロウインターナショナルスクールバンコクの授業風景
写真提供=ハロウインターナショナルスクールバンコク校
ハロウインターナショナルスクールバンコク校の授業風景

そして、さまざまな活動を通じて、挑戦する機会を与えます。失敗しても、それが学びの機会であることを教えていきます。こうすることで、フレキシブルで創造的で、失敗を恐れないマインドセットを持つ人材が育っていきます。

日本の教員のトレーニングも必要でしょう。ハロウ安比校ができれば、国際教育の新しい基準を創り出すだけでなく、カリキュラムデザインや学生の評価方法などの指導でもお手伝いができるかもしれません。日本の教育改革の促進剤になれればとも思っています。私はできると信じています。

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