リーダーシップやレジリエンスが育つ
——ハロウ安比校では、どんな教育が行われるのでしょうか?
【マイケル氏】基本的には英国ハロウスクールと同じです。11歳(小学校6年生)〜18歳(高校3年生)の7年間の教育課程を計画しています。共学で、生徒全員が寄宿舎に住むフル・ボーディングスクール(※)です。
カリキュラムはイギリス式で、高1終了時に英国義務教育終了資格である国際標準試験「International General Certificate of Secondary Education(IGCSE)」を、高校最終学年ではイギリスの大学入学資格にあたる「General Certificate of Education Advanced Level(Aレベル)」を受験し、世界のトップ大学への進学を目指します。
英国ハロウスクールでは卒業生の多くがケンブリッジ大学やオックスフォード大学などに進学しています。しかし、特筆すべきは学業成績だけではありません。大学入学時にはリーダーシップやレジリエンス、協働力、コミュニケーションスキルなど、社会で必要とされている力を身に付けている点が評価されています。高校卒業時点で、すでに社会に貢献できる人材が育っているのです。
その秘密は、寄宿生活にあります。長期休暇を除き、生徒は仲間とともに学校とハウス(寮)を行き来します。ハウスでは自分の選択したスポーツ競技やボランティア活動に従事するほか、教員は授業後もハウスで個別の宿題をサポートします。
さらに、個別化されたパストラルケア(学習面・精神面・健康面を始めとした多面的・総合的サポート)も、教員と寮のハウスマスターによってなされます。ハウスマスターは、思春期の心身の悩みなどもサポートできるプロフェッショナルです。全寮制という制度のもと、教員・ハウスマスター・同じ寮の仲間が一体となって一人ひとりの学力と心身の発達をサポートし、生徒一人ひとりの最大限の可能性を引き出す仕組みがあるのです。
※フル・ボーディングとは、通学を認めない全寮制寄宿学校のこと。通学と寄宿の両方があるボーディングスクールは、ハーフ・ボーディングと言ったりする。
課題授業で忙しい生徒の一日
——学校生活をイメージするために、生徒の1日の過ごし方を教えてください。
【マイケル氏】一言で言うと、なかなか忙しいです。
まず生徒たちは、早朝からクラブ活動の練習などで1日をスタートします。その後ハウスで一緒に朝食をとり、1時限目のクラスに向かいます。昼食の時間も、生徒が自主的にアクティビティーを行ったり、教員に授業の質問に行ったりと、忙しいことが多いです。
放課後もさまざまな部活動、ゲストスピーカーを招いたイベント、ボランティアなどが用意されており、生徒はいくつかの活動に参加し、夕方に寮に戻ります。
夕食後は、宿題や予習などハウスマスターにサポートしてもらう勉強の時間があります。勉強については、新型コロナウイルス感染症の影響でオンラインを使ったレクチャーや課題提出の仕組みが整いました。