人類の完成形である子供に、大人はもっと学ぶべきだ
10代の頃から小林が向き合ってきた「思考停止」。この状態に陥ると、正しいこと、価値があることに気づけなくなる。自分はどうありたいか、自分にとって何が必要かを判断できなくなり、次第にその人にとって必要なことなのにそれに挑戦することさえできなくなる。すると、挑戦する人をたたくようになり、2025年までのDXが夢物語で終わる。この悪循環を断ち切らなければならないが、思考停止状態から抜け出すにはどうすればいいのか。
「僕もそうですが、思考停止は誰にでも起こります。違和感をスルーせず、常識や慣習を疑い続けるしかない。たとえば高校や大学に行くのは『なんで?』と問いかけてみる。それで自分なりの答えを納得いくまで調べたり考えたりしてみる。僕の中での答えは、高校や大学は機能にすぎない。進むべき道が決まっていてその機能を使う必要がないと思えば、無理に行かなくてもいいや、ということだった。偏差値の高い学校だって人によっては行く必要もないですから、今の若い人もそこは考え直した方がいいんじゃないかな」
最後にこう付けくわえた。
「子供って“なんでなんで”と繰り返しますよね。大人は“常識だから”“みんなそうだから”とかごまかしますが、それでは答えになっていない。ビジネスの現場でそう答えたらアウトですよね、顧客の信頼を得られない(笑)。その意味で子供は人類にとって一番の完成形だと思っていて。まずこの国ならご飯は食べれるからお腹も空かない。あらゆることが初めてなのに恐れずに挑戦し続けているし、未来に希望をもって生きている。大人は子供に倣って生きたほうが面白い社会になるんじゃないかな」
(敬称略)
(構成=向山 勇)