ラグビー経験者で競馬好き
頑健な人物で、「サセックスの吸血鬼」の記述によれば、かつてラグビーをしていたこともある。競馬が好きで、傷痍年金のおよそ半分をつぎ込んでいたという(「ショスコム荘」)。「踊る人形」では、クラブでサーストンという人物とビリヤードをしていたことをホームズに言い当てられているが、この際もお金を賭けていたかもしれない。しかしそのサーストンに勧められたアフリカの株への投資(かなり賭博性が高い)は断っているので、賭けられれば何でもいいというわけではないようだ。
家族構成については、『四つの署名』における記述によってファーストネームのイニシャルが「H」の兄(シャーロッキアンの一説では「ヘンリー」)がいることだけは判明しているが、その兄も既に亡くなっており、ホームズと同居を始めた時点で天涯孤独だったようである。
従軍時の負傷の場所にも諸説あり
結婚してベイカー街から離れていた時期もある。『四つの署名』事件で出会ったメアリ・モースタン嬢と婚約し、後の記述からすると彼女と結婚生活を送っている。パディントンに引っ越して、自宅兼医院を構えていた。その時期でも、ホームズに呼び出されれば一緒に調査をし、相棒を務めた。
しかし事件記録(正典)を時系列順に並べなおしてみると、『四つの署名』事件以前にも結婚していた時期があるようなのである。そのため、シャーロッキアンによってワトスン複数回結婚説が唱えられている。また、2回だけでなくそれ以上だとする説もある。
説といえば、従軍した際にワトスンがどこを負傷したかも、諸説ある。『緋色の研究』では“肩”を撃たれたと書かれているが、『四つの署名』では“脚”を撃たれた、と記されているのだ。シャーロッキアンの間では「肩説」「脚説」「両方説」「恥ずかしいところを撃たれたために誤魔化した説」などに分かれている。