「コロナショック不況」の大暴落は時期的に見て「歴史の必然」
そして問題は、今回の(2020年2月下旬から始まった)コロナショックによる大暴落です。
⑨今回のピークは、2018年10月で、最高値は24,448円です。
⑧~⑨の期間を見てみますと、「11年8カ月」です。⑤~⑦の10年4カ月よりもやや長かったですが、上で見たように、バブル経済の前の「12年に一度の周期」とはほぼ合致していますから、今回の大暴落は、このように歴史的に考察してみれば、まさに「来るべきものが来た」ということでしかなかったのだということがわかります。コロナショックがあろうとなかろうと、今回の大暴落は、時期的に見て「歴史の必然」だったといえます。
そして、⑤~⑧の事例に従えば、下落期間は「1年8カ月~3年」ということになりますが、今回の場合はピークの間隔が⑤~⑨の中では一番長くて、底値(2008年10月、6,994円)からの上昇率も約3.5倍でとても大きいので、下落期間が長引く可能性もあります。
そうすると、今回のコロナショックによる大暴落が底打ちするのは、「早くて2021年2月、遅いと2021年10月」ということになります。
11月にバブル以降の日経平均株価の高値を更新も再度暴落の恐れも
一方、2020年11月9日の時点で、日経平均株価は⑨の高値(2018年10月、24,448円)を更新しました。このような現状を踏まえますと、コロナショックによる大暴落は2020年3月に底打ちしていることになりますので、下落期間は1年5カ月となり、かなり短くて変則的なものになりました。
これから先は「資産インフレ」が続いて、日経平均株価が高止まりする可能性がありますが、何らかのショックが発生して、日経平均株価が再度暴落する可能性もあります。再度暴落した場合は、それが「コロナショックの二番底」になります。
トランプ大統領が落選した場合には、NYダウが大暴落すると予想していました。
しかし、11月9日の時点ではバイデン氏の当選がほぼ確実視されていますが、大方の予想に反して日米の株価はむしろ上がっています。株価が下がらないのは、バイデン氏が大統領になっても、経済の面ではあまり大きなマイナスはないだろうとの思惑が台頭してきたためであるといわれています。
また、リーマンショック以上の「ジャブジャブの金融緩和」が日米で実施され続けていますから、「コロナショックの二番底」は形成されず、当面は日経平均株価もNYダウも高止まりしそうな気配になっています。
「コロナ不況」との関係でいうと、まさに「不況下の株高」という現象になっており、「資産インフレ」が進行しているとしか考えられない状況です。そうだとすれば、今後も右肩上がりの株価推移が予想され、その中で株価急落の局面があるとすれば、それは今年3月のコロナショックの最安値の時と同様に、絶好の買いのチャンスとなるでしょう。
日米の今後の株価推移は、ことさらに要注目です。