それに続けて、公式アカウントは「素敵なイラストばかりで、動悸がおさまらないアツギ中の人。みんな……めちゃくちゃ可愛くないですか………」と投稿した。

すると、イラストに加え、「動悸がおさまらない」などタイツを性的に捉えるような発言を公式アカウントが行ったことに対して批判が集中した。特にアツギのターゲット層である女性ユーザーからは、「誰向けのPRなのか?」「これを見てタイツを買いたくはならない」と厳しい意見が噴出した。

見てて辛いものがある…太ももや内股に視線がいくイラストを見てタイツ買いたくなる気持ちは湧かない…
ATSUGIのタイツの件、違和感あるなあと思ったらタイツの購買層じゃなくてタイツ女子が好きな人に向けてPRしちゃってるのがズレてる
女は常に男性から性的に見られる事に辟易しています。女性向けタイツメーカーくらい女性の方を向いて応援してほしい。私達は性的なからかいや冗談にうんざりしています。いい加減にして。

こうした事態を受け、公式アカウントでは3日午後9時10分に「ラブタイツキャンペーンに関するお詫びとご報告」と題した投稿とともに、ホームページに以下のような謝罪文を掲載した。

「本来であれば、“すべての女性の「美」と「快適」に貢献したい”という弊社のビジョンを一人でも多くのお客様へ知っていただきたいという思いのキャンペーン施策であり、タイツのある生活シーンを想起していただきタイツとファッションを楽しんでいただきたいという企画趣旨であったにも関わらず、弊社内における確認体制やモラル意識の甘さにより、現在アツギ製品をお使いいただいております多くのお客様の期待を大きく裏切る結果となってしまいましたことを深く反省しております。」

また、「イラストにつきましては、全て事前に弊社で監修しており、イラストレーターの方々に非は一切ございません」と述べ、アカウントの更新を止めている。(2020年11月10日現在)

「個人的な投稿を企業公式アカウントで行う」と宣言

実は炎上以前から、「(リカちゃんの)個人情報を暴露しちゃいますね」と公式ツイッターで投稿して大炎上したタカラトミー同様、アツギの公式アカウントも今回の事態につながるような危うい投稿やリツイートを繰り返していた。

今回のキャンペーンにも参加していた人気イラストレーターのよむ氏と企業公式アカウントを通して個人的な内容で交流をしたり、よむ氏が発売した成人向け要素の強い画集をリツイートしたりしていたのだ。

そもそもアツギの公式ツイッターの説明欄には、「アツギの公式アカウントです!レッグウエア・インナーウエアの新商品や人気アイテムから……担当者の日常など、つぶやきます。」とあり、最初から担当者の個人的な投稿を企業公式アカウントで行うと宣言していた。この運用そのものに危うさがあった。

これまでの投稿が問題にならなかったことから、次第に感覚がまひして今回のキャンペーンに至ったとも考えられる。