携帯も地銀再編も不妊治療もデジタル庁もちまい

自民党総裁選を圧勝して第26代総裁に、秋の臨時国会で首班指名を受けて第99代内閣総理大臣に就任して、菅義偉政権が発足した。無派閥で世襲議員でもない。叩き上げで苦労人の「令和おじさん」。そんなイメージの新首相を世論はおおむね好意的に受け止めたようで、70%台という歴代内閣でも高水準の支持率での船出となった。

第99代内閣総理大臣菅義偉。
第99代内閣総理大臣菅義偉。(時事通信フォト=写真)

菅新政権で注目されている政策は、携帯料金の引き下げ、地方銀行の再編、不妊治療の保険適用、デジタル庁の創設などだ。

携帯料金の引き下げは官房長官時代から取り組んできた肝いり政策で、2018年には「4割程度引き下げられる余地がある」と発言している。菅首相から直々の改革指令を受けた武田良太総務大臣は「1割(値下げ)程度では改革にならない。諸外国はいろいろな政策で健全な競争市場原理を導入しており、ドイツやフランスでは70%下げている。やればできる」と息巻いた。

確かにヨーロッパでは競争原理が国境をまたいで働いていて、油断して少しでも値段が高いと隣の国から安価なサービスや商品が入ってくる。しかし日本の場合、携帯電話市場は国内の大手キャリア3社による寡占状態が続いてきた。そこに「健全」な競争を導入して料金を下げようということで、先頃、楽天モバイルが5G(第5世代)携帯の格安料金プラン(データ通信無制限で料金は大手の半額程度)をぶち上げた。