「土壌」を収集する毎朝の聞き取り

<strong>佐々木則夫●ささき・のりお</strong> 1949年、東京都生まれ。72年早稲田大学理工学部機械工学科卒業、東京芝浦電気(株)(現東芝)入社。95年磯子エンジニアリングセンター原子力運転プラント設計部長、2000年原子力事業部原子力技術部長、05年執行役常務、08年取締役代表執行役副社長。09年より現職。
東芝社長 佐々木則夫●ささき・のりお 1949年、東京都生まれ。72年早稲田大学理工学部機械工学科卒業、東京芝浦電気(株)(現東芝)入社。95年磯子エンジニアリングセンター原子力運転プラント設計部長、2000年原子力事業部原子力技術部長、05年執行役常務、08年取締役代表執行役副社長。09年より現職。

原子力プラントの設計部で、入社9年で主任級になってから40代半ばで部長級になるまで、毎日、続けたことがある。当初は、プラントの配管の設計グループで、5人前後の部下たちと朝一番に集まって、一人ずつに「昨日は何をしたの?」と問いかけた。いろいろ意見を交換しながら、気になる点があると、「だけど、それでいいの?」と加える。次に「今日は、何をするの?」と尋ねた。聞き終わると、「昨日やったことの結果は、どうするの?」と、何げなくフォローアップを促す。

簡潔な確認の繰り返し。普段からずけずけ言うし、声も大きい。だから、部下たちには怖い存在だっただろう。彼らも一生懸命に仕事をしているのに、うるさかったかもしれない。でも、そんなことを慮っても、仕方がない。配管は、1基の原発で延べ100キロメートルにも及ぶ。些細なことが、すべてをマヒさせることもある。ましてや、「安全」が絶対の原発。何でも、ちゃんと聞いておかないと、取り返しのつかないことにもなりかねない。課長級になってからは、もう一つのグループ5、6人とも、毎日、続けた。