ビジネスのノウハウが広まりにくくなっている
コロナ禍で取材させてもらった中小企業の成功事例からは、今後の販促のヒントになる話がたくさん詰まっている。そして、このような販促事例は「自分も頑張ってみよう」という気持ちにさせてくれて、前向きに生きていく活力を与えてくれる。
自分以外の人が頑張って、もがいているという事実を多くの中小企業で働く人たちに届けることができれば、少しでもコロナ禍を打開できる社会が作れるのではないか。そんな思いを抱えながら、日本全国の中小企業を駆けずり回って取材している。
今は三密回避の理由で、ビジネス系のセミナーや講演会がほぼ中止になっている。一部のネット系のセミナーはオンラインで開催されているが、実店舗のビジネスを展開している企業や、地方の商工会議所や商工会のセミナーは、オンラインの設備が整っていないこともあって、ビジネスのノウハウが以前よりも経営者に届きにくくなっている。
コンサルタントも現場に足を運びにくいことから、ノウハウも集めづらい日々が続いている。私自身も、感染予防を徹底したスタイルでコンサルティングや取材をさせてもらい、電話やZoomなど非対面のコミュニケーションツールを使い、なんとか最新の販促ノウハウをかき集めている状況である。
「武器」は多くの企業で共有したほうがいい
しかし、このような状況が長引けば、いずれ企業の持っているノウハウに格差が生まれて、ますます小さな会社が儲けにくい世の中になってしまう。儲かるための“武器”を多くの企業で共有していくことは、今まで以上に積極的に行っていかなければいけない。
「儲かって申し訳ない」という思いを持ち続けることは、巡り巡って自分のところにも儲けのノウハウが回ってこないことになる。そうならないためにも、コロナ禍で儲かっている企業は、胸を張って「こうやったらコロナ禍でも儲かる!」という情報を、表にどんどん出して、多くの経営者と情報を共有してもらいたい。