※本稿は、竹内謙礼『巣ごもり消費マーケティング「家から出ない人」に買ってもらう100の販促ワザ』(技術評論社)の一部を再編集したものです。
「集客減」「景気低迷」「キャッシュ消滅」の3重苦
この3重苦にどのような準備をすればいいのか。それを理解するためには、もう少し状況を整理して、掘り下げて考える必要がある。
まず、やってはいけないことは、政府の掲げた「3密」に関わる売り方である。
密接:お店で人と人が近くで話してはいけない
密閉:風通しの悪いお店に行ってはいけない
ライブハウスで感染が発生したのは、この3つの条件が重なったからである。人がたくさん集まり、大きな声を出して飛沫を拡散し、風通しが悪いためにウイルスを蔓延させてしまったことが、多くの感染者を出す原因になってしまった。
「店に行くな」「人と話すな」「店内にたくさんの人を入れるな」となると、当然、家の中で過ごすしか方法はなくなる。オフィスも3密の環境になるので会社側はテレワークを推進することになり、なおさら人は表に出歩かなくなってしまった。
つまり、3密を守る売り方というのは、すべての経済行動が止まることを意味している。店舗や会社の環境そのものが感染リスクの高い場所となり、さらに人が表に出て行動しなくなるという2つの規制が生まれるため、ビジネスがまったく機能しなくなることが、新型コロナウイルスが経済を低迷させている最大の要因なのである。