新型コロナウイルスの蔓延により、多くのサービスは「集客減」「景気低迷」「キャッシュ消滅」の3重苦。現在の状況は、東日本大震災の打撃よりも大きいと言われています。この3重苦を切り抜けるにはどうしたらいいのか。多くの経済誌や専門誌への連載をしている経営コンサルタントの竹内謙礼さんに、コロナ禍の巣ごもり消費に有効な販促術を教えてもらいます。

※本稿は、竹内謙礼『巣ごもり消費マーケティング「家から出ない人」に買ってもらう100の販促ワザ』(技術評論社)の一部を再編集したものです。

黒板の棒グラフ
※写真はイメージです(写真=iStock.com/anilakkus)

「集客減」「景気低迷」「キャッシュ消滅」の3重苦

この3重苦にどのような準備をすればいいのか。それを理解するためには、もう少し状況を整理して、掘り下げて考える必要がある。

まず、やってはいけないことは、政府の掲げた「3密」に関わる売り方である。

密集:お店に人が集まってはいけない
密接:お店で人と人が近くで話してはいけない
密閉:風通しの悪いお店に行ってはいけない

ライブハウスで感染が発生したのは、この3つの条件が重なったからである。人がたくさん集まり、大きな声を出して飛沫を拡散し、風通しが悪いためにウイルスを蔓延させてしまったことが、多くの感染者を出す原因になってしまった。

「店に行くな」「人と話すな」「店内にたくさんの人を入れるな」となると、当然、家の中で過ごすしか方法はなくなる。オフィスも3密の環境になるので会社側はテレワークを推進することになり、なおさら人は表に出歩かなくなってしまった。

つまり、3密を守る売り方というのは、すべての経済行動が止まることを意味している。店舗や会社の環境そのものが感染リスクの高い場所となり、さらに人が表に出て行動しなくなるという2つの規制が生まれるため、ビジネスがまったく機能しなくなることが、新型コロナウイルスが経済を低迷させている最大の要因なのである。