Withコロナ時代に有効なビジネスモデルを考えよう

たとえば、ネットショップでは、感染リスクのない非対面でマスクを売り、「マスクがない」という悩みを解決してくれる商品だからこそ、マスク不足の時は売上を伸ばしていた。お客様も自らマスクを探してくれるので、販促費をかけなくても売れてくれた。

竹内謙礼『巣ごもり消費マーケティング「家から出ない人」に買ってもらう100の販促ワザ』(技術評論社)
竹内謙礼『巣ごもり消費マーケティング「家から出ない人」に買ってもらう100の販促ワザ』(技術評論社)

スーパーの売上が好調なのも、「家で食事をしなくてはいけない」という悩みごとを解決しなくてはいけないからである。レジでお金を払う程度の距離感なので、3密はクリアした売り場でもある。お客様が勝手に買い物に来てくれるので、新聞折り込みチラシを入れなくても売上は伸び続けてくれる。

もちろん、マスクやスーパーは、巣ごもり消費において最も需要が高いものであり、売れてあたりまえというところもある。しかし、現状のビジネスモデルを、3密をクリアした売り方に切り替えて、悩みごと解決型の商品やサービスとして販売すれば、売上が回復する可能性は十分ある。それに加えて、お金をかけずに売れる仕組みを作り出すことができれば、少ない投資で来店客や見込み客を増やすことも可能といえる。

販促としては厳しい状況であることは変わりないが、この3つの足かせをひっくり返して考えていくことが、新型コロナウイルスの巣ごもり消費に有効な販促術の根幹になっていくのである。

写真=iStock.com

竹内 謙礼(たけうち・けんれい)
有限会社いろは代表取締役

大企業、中小企業問わず、販促戦略立案、新規事業、起業アドバイスを行う経営コンサルタント。大学卒業後、雑誌編集者を経て観光牧場の企画広報に携わる。現在は雑誌や新聞に連載を持つ傍ら、全国の商工会議所や企業等でセミナー活動を行い、「タケウチ商売繁盛研究会」の主宰として、多くの経営者や起業家に対して低料金の会員制コンサルティング事業を積極的に行っている。著書に『売り上げがドカンとあがるキャッチコピーの作り方』(日本経済新聞社)、『御社のホームページがダメな理由』(中経出版)ほか多数。