価値のある人間として世間に認められるにはどうすればいいのか。2ちゃんねる創設者のひろゆき氏は「言ってはいけないことを言うことだ。世の中の多くの人が本音を言わない中、本音を話せば一気にポジションがとれる」という——。

※本稿は、ひろゆき『1%の努力』(ダイヤモンド社)の一部を再編集したものです。

「ニコニコ動画(RC2)」発表会で映画祭の開催を発表する株式会社ニワンゴ取締役で巨大掲示板「2ちゃんねる」管理人の西村博之氏(左)と審査委員長の手塚眞氏=2007年10月10日、千代田区の秋葉原UDX
写真=時事通信フォト
「ニコニコ動画(RC2)」発表会で映画祭の開催を発表する株式会社ニワンゴ取締役で巨大掲示板「2ちゃんねる」管理人の西村博之氏(左)と審査委員長の手塚眞氏=2007年10月10日、千代田区の秋葉原UDX

本音で言う。そして、ちゃんと謝る

コミュニケーションコストとは、ひと言でいうと、「言ってはいけないことを言うスキル」だと僕は思っている。

たとえば、知り合いから「僕の事業は、うまくいきますかね?」と聞かれたとする。

普通に考えて、「うまくいかないな……」と思った場合に、あなたなら、ちゃんとそれを伝えられるだろうか。

もちろん伝え方は、その人のキャラによる。やんわり否定したり、率直に切り捨てたり、伝えるための技術はあるだろう。

ちなみに、僕だったら、「失敗しますよ」と言ってあげるようにしている。

なぜなら、それが本当の優しさだと思うからだ。

うまくいかなそうなのに、「大丈夫ですよ! 絶対にうまくいきますよ!」と言ってしまうほうが残酷だと僕は思う。

世の中、みんな本音を言わない。

「言ってはいけない」という空気が支配している。

そんな中で、本音をズバッと言う人がいたらどうだろう。

一気にポジションをとれる。

もちろん、好き嫌いで言うのではなく、根拠を提示したり、改善策を一緒に考えたりはする。ただ、無責任に「うまくいきますよ」とは言わないだけだ。

僕が人に本音を言えるのは、「最終的には謝れば関係を修復できる」と信じているからだ。

後からうまくいったとしたら、「あのときはごめんなさい」と言って謝れば修復可能で、それでも嫌みを言ってくるような人であれば、そういうタイプの人とは仲良くならないほうがいい。

もし後になって間違っていれば、そのときは謝る。

そのリスクさえとれれば、いつだって思ったことを言えるはずだ。

「本音で言う。そして、ちゃんと謝る」

どうだろう。これほど単純なスキルは他にないかもしれない。

僕がイベントやテレビ出演の仕事に呼ばれるのも、すべては「本音が言える」という強みがあるからにすぎない。

それだけ、本音が言える人、言ってはいけないことを言える人は、ポジション的に重宝されるのだろう。