※本稿は、ひろゆき『1%の努力』(ダイヤモンド社)の一部を再編集したものです。
本音で言う。そして、ちゃんと謝る
コミュニケーションコストとは、ひと言でいうと、「言ってはいけないことを言うスキル」だと僕は思っている。
たとえば、知り合いから「僕の事業は、うまくいきますかね?」と聞かれたとする。
普通に考えて、「うまくいかないな……」と思った場合に、あなたなら、ちゃんとそれを伝えられるだろうか。
もちろん伝え方は、その人のキャラによる。やんわり否定したり、率直に切り捨てたり、伝えるための技術はあるだろう。
ちなみに、僕だったら、「失敗しますよ」と言ってあげるようにしている。
なぜなら、それが本当の優しさだと思うからだ。
うまくいかなそうなのに、「大丈夫ですよ! 絶対にうまくいきますよ!」と言ってしまうほうが残酷だと僕は思う。
世の中、みんな本音を言わない。
「言ってはいけない」という空気が支配している。
そんな中で、本音をズバッと言う人がいたらどうだろう。
一気にポジションをとれる。
もちろん、好き嫌いで言うのではなく、根拠を提示したり、改善策を一緒に考えたりはする。ただ、無責任に「うまくいきますよ」とは言わないだけだ。
僕が人に本音を言えるのは、「最終的には謝れば関係を修復できる」と信じているからだ。
後からうまくいったとしたら、「あのときはごめんなさい」と言って謝れば修復可能で、それでも嫌みを言ってくるような人であれば、そういうタイプの人とは仲良くならないほうがいい。
もし後になって間違っていれば、そのときは謝る。
そのリスクさえとれれば、いつだって思ったことを言えるはずだ。
「本音で言う。そして、ちゃんと謝る」
どうだろう。これほど単純なスキルは他にないかもしれない。
僕がイベントやテレビ出演の仕事に呼ばれるのも、すべては「本音が言える」という強みがあるからにすぎない。
それだけ、本音が言える人、言ってはいけないことを言える人は、ポジション的に重宝されるのだろう。