アメリカに行けるのならば、いくらでも自分を変える

最後にその「プライド」が大きく芽生えた瞬間をご紹介します。

富士晴英とゆかいな仲間たち『できちゃいました! フツーの学校』(岩波書店・岩波ジュニア新書)
富士晴英とゆかいな仲間たち『できちゃいました! フツーの学校』(岩波書店・岩波ジュニア新書)

本校ダンス部は世界大会に出場する前の2016年「JamFest Dance Super Nationals」というダンス&チアの全米大会に出場し、優勝しています。本校の部活がアメリカに行くことは前代未聞で、学校側との協議を何度も重ねていました。部員は当然「アメリカに行きたい!」という思いを強く持っていました。そのため、自分たちの行動や言動が改めて周りからどう思われているかを見つめ直しました。

日々の「授業態度から見直す」ことを決めるなど徹底していました。その徹底ぶりは、私が驚くほどでした。過去の自分たちのだらしない態度を素直に見つめ直し変えたのです。高校生だからこそ持ち得る柔軟性かもしれません。人が変わるとはまさにこのことだと思いました。

当時の部員たちは自分たちを変えることで、アメリカに行けるのであれば、いくらでも改めますという覚悟でした。自分たちにとって「面倒なこと」「嫌なこと」であっても、自分たちの目標のために決定し、行動する力を持ったのです。この力が原動力となり、全国大会に出場し、その2年後アメリカ大会で優勝することになったと思います。

自分たちの決めた「部則」は自分たちで守る。その当たり前にみえて難しいことを可能にしたのは、「自分たちの目標を叶えるため」という強い自覚と、同時にダンス部としての「プライド」なのかもしれません。

「部則」と聞くと一見堅苦しく思いますが、部員たちは自分たちで決めたルールを守る、徹底することでチームとしての団結を確固たるものにしていると思います。

【関連記事】
娘2人とも「慶應医学部&バイオリニスト」おっとり母の助けない子育て術
コロナ禍で子供の勉強意欲の芽を潰す「共働き世帯」の条件
米国トップ大学に通う韓国人の44%がドロップアウトしてしまう理由
「家庭学習で子供を賢くする方法」NY州弁護士&脳科学者の出した結論
「子供が3歳まで母親は家にいたほうがいい」は大間違いだった