死ぬか生きるかの背水の陣
日本酒業界の常識を破り世界中で愛されるブランドに
「獺祭」の生みの親であり、現在は旭酒造会長として活躍する桜井博志さんが家業を継ぎ、苦心惨憺しながら、どうやって海外でも愛される日本酒ブランドを築き上げたのか。今回プレジデントオンラインに掲載している漫画は、新著『「獺祭」の挑戦 山奥から世界へ』(サンマーク出版)の冒頭部分です。この後、物語は「獺祭」の誕生と飛躍へと動いていきます。
もともと私が最初にお会いしたのは、桜井博志さんではなく、桜井さんの息子の一宏さん(現旭酒造社長)でした。
私のライフワークでもある『島耕作』シリーズは、2023年で連載40周年を迎えます。課長から始まった島耕作の物語も、今では相談役へと昇格し、主人公自身も作者の私も歳を重ねました。その過程の中で、海外を舞台にすることも少なくありませんでした。もちろん、現地に行っての下取材にも惜しみなく足を運びます。それは今でも変わりません。
私の作品は、さまざまな人脈を駆使して取材し、だいたいエンターテインメントが50%、情報が50%で描きますから、経済人や政治家へのインタビューも数えきれません。生の事実に関する声をしっかり吸収しながら、漫画は余計なことが描けないぶん、わかりやすく表現できます。だからこそ、漫画以外の業界の人たちからうかがう話は貴重なのです。