リモートワークで「オンラインKY」が大量発生している
新型コロナウイルス対策の一環で、リモートワークやテレワークを導入する企業が増えています。ただ、オンラインで行うミーティングや会議にまだ対応しきれていない人がいるのも事実です。
その典型が「オンラインKY」と呼べる人物です。
2007年の新語・流行語大賞の候補「KY」という言葉を覚えているでしょうか。「空気が読めない」の略語で「とにかく自信過剰」「人の話が聞けない」「自称おもしろい、だけどつまらない」といった人を揶揄する意味合いがあります。
大まかには、次の3点に整理することができるでしょう。
1.「間が悪い」~周囲の状況が見えていない。
2.「うるさい」~ムダに声が大きい。テンションが高い。
3.「不必要なことを言う」~余計なこと、関係ないことを話し始める。
つまり、「KY」=空気が読めない人の特徴とは、「こちらの状態や、周囲の状況を無視して、自分が言いたいことだけを言う」となります。
リモートワーク元年、典型的な「オンラインKY」の生態
リモートワークでは、相手の状況を無視して自分勝手にふるまう「KY」な人に遭遇する。そんな声をしばしば耳にするようになりました。
2020年は、「リモートワーク元年」といっていいでしょう。打ち合わせも、会議も、プレゼンも、セミナーも「オンライン」に切り替わりました。私は、この年に生まれた新種の「KY」を、「オンラインKY」と呼ぶことにしました。いったいどんな「KY」なのか、いくつかご紹介しましょう。
「話が長いKY」(HNKY)
オンラインでの会議は、発言の順番が明確です。できる限り簡潔に意見を述べて、他の人に順番を譲るのがスマートです。「話が長い人」はこれを理解しておらず、(そろそろ次の人にバトンを渡してもいいのでは?)と周囲が思っていることに気がつきません。
「わかって当然KY」(WTKY)
「自分の説明は、すべて相手に理解されている」と思い込んでいる人です。また、自分が共有した資料は、くまなく読まれて当然だと思っています。オンラインだからこそ、より丁寧な説明が必要だと思うのですが……。
「みんなアグリーKY」(MAKY)
「自分の意見には、みんなが賛同している」と勘違いする人です。どう考えても、参加者の反応はまちまちだったはずなのに、会議が終わると100%の合意がとれたことになっているのです。
ここで注目すべきは、「オンラインKY」な人は、リアルの世界では「KY」というわけでなく、ちゃんと空気が読める人であるケースが多いということです。オンライン特有の環境が、彼らを「KY」にさせてしまったのです。どういうことでしょうか。