サラリーマンこそ会社を買うべき
「こっちの水は甘いぞ」と言い切ることはできない。楽して儲けられるという簡単な世界ではないが、貴重な「自分の時間」を自分でコントロールできるようになることは間違いない。
サラリーマンとして40代にもなれば、管理職やチームリーダーとして、束ねる社員の数は十数人から数十人になるだろう。大企業なら数百人の部下を持つ人もいるかもしれない。
もしそういう立場なら、あなたは毎年、経営計画に則って予算を立て、そのために必要な人員計画や業務計画を作って、OJTや研修で身に付けたマネジメントスキルを駆使しながら、日々の業務を進めているはずだ。
そのあなたの仕事は、従業員数人から数十人の中小企業の業務よりはるかに複雑である。それをあなたは長いことこなして、結果を出し、経験を積んできているのだ。
私が言いたいのは、そんなサラリーマンの方々は、中小企業を経営するための準備がもう十分にできている、ということである。
リスクよりはるかに大きなリターンが待っている
会社経営にリスクはある。そのリスクは、サラリーマンに比べると大きいかもしれない。しかし、サラリーマンよりリターンがはるかに大きいのだから、それは当然である。
間もなく日本型雇用システムは失われ、いわゆる「サラリーマン」が会社にぶら下がって生きていける環境ではなくなる。これからは「40代強制定年時代」が訪れ、日本の会社をめぐる環境は大きく変わっていく。
その中であなたはどういう生き方を選ぶか、考えなくてはならない。その選択肢の1つとして「会社を買って資本家になる」というということを考えてみてほしいのだ。
※本稿は、三戸政和『サラリーマン絶滅世界を君たちはどう生きるか?』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。