半導体の自給率向上に邁進する中国

別の視点からサムスン電子と中国の半導体需要を考える。

中国が韓国の半導体業界を重視してきたのは、中国が高性能の半導体を量産する十分な体制を整備できていなかったからだ。半導体業界の専門家の中には、台湾や韓国と中国の生産技術には3、4年の差があると指摘する者がいる。

半導体の設計と開発に関して、中国の実力は高い。ファーウェイ傘下のハイシリコンの半導体開発力は世界トップレベルにある。その一方で、中国の半導体生産能力は発展途上にある。特に、微細なICチップを量産するための技術が十分に備わっていない。中国の量産体制の弱さを補完する形でサムスン電子は中国の半導体需要を取り込み、それが韓国経済を支えた。

2015年5月以降、中国政府は先端分野の産業強化策である“中国製造2025”を推進し、半導体の自給率向上に強く取り組んでいる。それによって、徐々に中国の半導体生産能力は向上した。現在、中国では半導体企業が資金調達を大規模に進め、量産体制の確立に向けた投資を積み増している。

日本に依存してきたサムスンの陰りが低迷リスクに直結する

共産党政権は産業補助金の支給によってそうした取り組みをサポートしている。長めの目線で考えると、遠くない将来、ファーウェイ傘下のハイシリコンや中国の半導体受託生産企業である中芯国際集成電路製造(SMIC)が韓国などに比肩する生産技術を確立する可能性がある。また、中国は台湾などから専門人材を積極的に確保している。

このように考えると、サムスン電子と中国半導体業界の関係は、補完的なものから競合的なものに変化していく。サムスン電子は半導体の開発や生産技術、人材をわが国などに依存してきた。その同社が、米国からの圧力と中国半導体企業からの熾烈しれつな追い上げに対応し、自力で競争力を高めることは口で言うほど容易なことではないだろう。

中長期的に考えると、サムスン電子の半導体分野での競争力には陰りが見え始める可能性がある。それは、韓国経済の低迷リスクを一段と高める要因と考えられる。

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