すると、“地元の愛知のスーパーは仏花の品揃えが多いから、これが当たり前だと思っていたけれど、他の地域では極端に少ない。ということは、地元は仏壇への思い入れが、他の地域に比べて厚いのかもしれないな”ということがわかります。

自分以外の人の意見や視野を知る

それで調べてみると、実は愛知は京都よりもお寺の数が多いことがわかり、自分には、他の地域に比べて“お寺や仏壇への思い入れが厚い地域”の住人としての視点があることがわかり、それが“自分の視野の価値”になるのです。

尾原和啓『あえて、数字からおりる働き方』(SBクリエイティブ)
尾原和啓『あえて、数字からおりる働き方』(SBクリエイティブ)

つまり、観光客ではなく、旅先の住民の視点を得たほうが、よその地域にとっての“ありがとう”に気づきやすくなるのです。

「そもそもそんな旅に行くお金も時間もない!」という人は、インターネットを使ってみましょう。大切なのは、自分以外の人の意見や視野を知ることです。

たとえば本を1冊読んだり、DVDを見たりして、一旦自分なりの感想がまとまったら、アマゾンのカスタマーレビューをチェックしてみましょう。自分と同じではなく、なるべく反対の評価をしている人のレビューにも目を通すと、“自分と反対派の意見の人が見ている視野や視座”を知ることができます。

自分のできるギブ、相手が欲しいギブを見極める

他にも、自分の街の旅行ガイドや、トリップアドバイザーをチェックするのもいいです。インスタグラムで、自分の街や県名をハッシュタグ検索してみるのもいいでしょう。すると、「自分にとっては当たり前だったけど、よその人にはこれが“ありがとう”なんだ」ということに気づけます。

自分にとっての当たり前が、人にとってのありがとうだということに気づくことも、自分にできるギブや、相手が欲しいギブを知る上で非常に大切なことです。これを押さえれば、おのずといい質問ができるようになっていくでしょう。

Point 自分にとっての当り前こそ、人にとっての「ありがとう」につながる
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