「答えの出ない状況」に耐える能力を身に着ける

帚木蓬生『ネガティブ・ケイパビリティ』(朝日新聞出版)
帚木蓬生『ネガティブ・ケイパビリティ』(朝日新聞出版)

最後にご紹介するのは、第18位『ネガティブ・ケイパビリティ』です。「ネガティブ・ケイパビリティ」とは、「なかなか答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」のこと。現代社会では、スピーディーな課題解決を求められる場面が少なくありません。また、新型コロナウイルスを巡っては、さまざまな情報や意見が飛び交っています。そんな中で求められるのは、あえて目の前の答えに飛びつかず、相手の状況に寄り添って「待つ」能力ではないでしょうか。

人間関係のわだかたまりがほぐれるのを待ったり、よいアイデアが降りてくるのを待ったり、人が成長していく様を見守ったりと、日常のさまざまな場面でもこの力は生きてきます。わかりやすい答えや解決策に飛びつきたくなったときの処方箋として、ぜひ本書をお読みいただければと思います。

先月から引き続きランクインしたのは『交渉力』(第9位→第3位)のみで、その他はすべて新しい書籍となった今月の月間ランキング。来月はどのような結果になるのか、いまから楽しみです。

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