「どんな大人になって欲しいか」を共有する
私が全国のパパママ向けにお伝えしている「感情的にならない子育て講座」で、受講者の皆さんに必ず聞くのが「どんな大人になって欲しいですか?」ということ。
回答でよく出てくるのが以下のような言葉です。「優しい人」「思いやりがある人」「人の気持ちがわかる人」「自分の意見が言える人」……いろいろ表現は違うと思いますが、自己肯定感を持ち、いろいろな人と協力しながら自分で考え行動できる、自立(自律)している人ということになるのではないでしょうか。
「人の言う通りに動く人」「自分の意見を言わない人」と答える人はいないと思います。
パートナーが「たたいて育てるべき」「親の威厳で子どもをコントロールすべき」などと思っていたら、ぜひ、「どんな大人になって欲しいか」を話し合ってみてください。
夫婦で多少違ってもいいと思います。でも、それぞれが大事にしていることが見えてくるはず。そして「子どもがいろいろな人の手を借りながら、自分で考え行動できるように親としてどのように関わっていったらいいのか」を、パートナーと共有しましょう。
「4ステップ」で子どもと向き合う
心と時間の余裕がないと難しいのですが、子どもとの向き合い方の4ステップを心がけてみましょう。
親とは違うかもしれないけれど、子どもが持った気持ちを受け止めること。そこを押さえることで、子ども自身が大事にされたという気持ちを持つことができます。
もうひとつ大事なのが、「方法を考えさせる」ということ。指示型ではなく、子どもがどうしたいか、どんな風にするといいと思うかアイディアを聞いてみてください。そのプロセスが自己決定にもつながります。
「子どもをたたかない、どならないで育てる」と決めることによって、子どもは親を怖がって威圧されたり、行動をコントロールされることがなくなるでしょう。
親子でコミュニケーションを取りながら解決方法の探し方を学ぶので、友だちとの意見のずれにも暴力を使わなくなります。成長していくいろいろな段階で、暴力やいじめ、ハラスメントをしてしまうこともなくなるでしょう。家庭の中での暴力がなくなることによって、社会にも好影響を与え、好循環を生むきっかけになると思っています。