野党も「定年引き上げ」には大賛成
コロナウイルスの蔓延で経済が凍りつき、大量の失業が発生し始めている中で、公務員の定年を引き上げる法案が審議されている。雇用対策や失業対策の審議を急ぐべきこのタイミングで、公務員は定年を延長して身分保障を強めようというのだから「悪い冗談」にしか思えないが、安倍晋三内閣は必死で成立を急いでいる。
国民にバレたらまずいと思っているのだろうか。「検察庁法改正」に論点をずらし、セットで審議されている公務員全体の定年問題は真正面から議論されていない。明らかな「目くらまし」戦術だ。実は、労働組合を支持母体とする野党も、公務員の定年引き上げには大賛成で、与野党をあげての論点外しの末、早期の成立に向けた議論が進んでいるのだ。
なぜ安倍内閣は緊急事態の最中、公務員の定年引き上げを急ぐのか。ひとつは、5月29日にある数字が明らかになる前に大方の審議を通しておきたいという思惑があったようだ。とくに法案成立を働きかけている霞が関の官僚たちは、その数字が明らかになることを恐れている。